東京高等裁判所 昭和22年(ヤ)36号 判決 1947年10月27日
原告
千葉縣山武郡增穗村北横川三六四
森川孝
被告
增穗村選擧管理委員會 代表者委員長
關谷孝
主文
原告の請求は之を棄却する。
訴訟費用は原告の負擔とする。
請求の趣旨
被告が訴外大原龍三を當選者としたる裁決は無效なることを確認する。
大原龍三の同村會議員當選は無效とする。
訴訟費用は被告の負擔とする。
請求原因 省略
答辯 省略
判決理由
原告主張の事實關係は「ツカシ」なる投票が原告を表示する有效投票であるとの點を除いては、當事者間に爭がない。然し右「ツカシ」なる投票は最初の一字不明瞭にて強いて判讀すれば、寧ろ「シカシ」と讀むべきであり又他に大木茂之(シゲシ)なる議員候補者もあつた關係上直に原告の名を記載したものとは斷定し難く無效投票とする外なかつたと、被告において主張するに拘らず、原告は、此の點につき何等の證據を提出しないから、原告の右主張を是認する途なく本訴請求はこれを棄却せざるを得ない。
仍て訴訟費用の負擔につき民事訴訟法第八十九條を適用して主文の通り判決した。